家のドアが閉まりにくくなった、壁にひび割れが見られる…このような小さな変化に気づいていますか?
もしかしたら、それは家が傾き始めているサインかもしれません。
気づかないうちに進行する家の傾きは、住む人の健康にも悪影響を及ぼす可能性も。
今回は、家が傾いていると感じた時の対処法を解説します。
原因の特定から適切な対策、専門家への相談方法まで、具体的なステップを踏まえながら、安心できる住まいを守るための情報を提供します。
家が傾く原因と危険性
*地盤沈下による傾き
地盤沈下は、家の基礎を支える地盤が沈む現象です。
地震による液状化や、軟弱地盤への建物の重量負担、近隣での工事などが原因として挙げられます。
不同沈下、つまり地盤の一部だけが沈むと、家が傾くだけでなく、建物の構造に深刻なダメージを与える可能性があります。
*建物の老朽化による傾き
築年数が経つと、建物の木材や基礎が劣化し、傾きが生じる場合があります。
特に、床下地材の腐食は、床の傾きとして目に見える形で現れることがあります。
また、新築時の設計や施工不良も、長期的には傾きの原因となる可能性があります。
*傾きによる健康被害
家の傾きは、住む人の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
軽微な傾きでも、長期間にわたって生活すると、平衡感覚のずれからめまい、頭痛、吐き気などの症状が現れる場合があります。
特に、6/1000以上の傾きは、健康被害リスクが高いとされています。
*専門家への相談の重要性
家の傾きは、素人判断では原因の特定や適切な対策が難しい場合があります。
早期に専門家(建築士、住宅診断士、地盤調査会社など)に相談し、原因を特定することで、適切な対策を選択し、健康被害や建物の損傷を最小限に抑えることができます。
家が傾いた時の対処法
*傾きの原因の特定方法
まずは、家の傾きを自分で確認してみましょう。
ビー玉や水平器を使って、床や壁の傾斜を調べます。
ドアや窓の開閉状況、壁のひび割れなども、傾きのサインとなる可能性があります。
しかし、これらの自己診断はあくまでも参考です。
正確な原因特定には、専門家による調査が不可欠です。
専門家は、地盤調査や建物の構造診断を行い、傾きの原因を特定します。
*適切な対策方法の選択
原因特定後、専門家と相談して適切な対策方法を選びます。
地盤沈下であれば、薬液注入工法、アンダーピニング工法、耐圧板工法など、老朽化であれば、腐食部分の補修や交換などが考えられます。
対策方法には様々な工法があり、費用や工期も大きく異なります。
*専門業者への依頼と手順
専門業者への依頼は、見積もりを依頼し、内容を比較検討することが重要です。
契約前に、工事内容、費用、工期、保証内容などをしっかりと確認しましょう。
契約書には、詳細な内容が記載されていることを確認し、不明な点は質問しましょう。
*費用と保険の活用方法
家の傾きの修理費用は、原因や規模によって大きく異なります。
数十万円から数百万単位になる場合もあります。
地震保険や火災保険、住宅瑕疵担保責任保険などが適用できる可能性があるので、保険会社に相談してみましょう。
また、自治体によっては、災害による住宅被害に対する補助金制度がある場合があります。
まとめ
家が傾いていると感じたら、放置せずに早めの対処が重要です。
まずは、自分で傾きをチェックし、不安な場合は専門家に相談しましょう。
原因を特定し、適切な対策を選択することで、健康被害や建物の損傷を防ぎ、安心安全な住まいを維持できます。
専門家への相談は、早期発見・早期対応に繋がり、費用や工期を抑えることにも繋がります。
複数の専門家からの意見を聞き、最適な解決策を見つけることが大切です。
そして、保険や補助金制度の活用も検討しましょう。