高齢の両親と同居することになり、浴室のリフォームを検討しているという方も少なくないのではないでしょうか。
特にユニットバスへの出入りは、段差があることで転倒の危険性が高まり、高齢者にとって大きな負担となります。
そこで今回は、ユニットバスの入口の段差について、その高さや解消方法を解説します。
ユニットバスの入口の段差の高さ
＊一般的なユニットバスの入口の段差は10〜15cm程度です。
これは、ユニットバスの構造上、床と浴室の間にどうしても高低差が生じてしまうためです。
具体的な寸法はメーカーや機種によって異なりますが、多くの場合、この程度の段差があると考えて良いでしょう。
新築住宅やリフォームでユニットバスを選ぶ際には、この点を考慮しておくことが重要といえます。
また、段差の高さはバリアフリーの観点からも重要な要素となります。
例えば、高齢者や障害のある方がいる場合は、段差の低いユニットバスを選ぶ、あるいは段差を解消するための対策を検討する必要があるでしょう。
さらに、将来的な身体の変化も考慮に入れておくことが大切です。
＊段差のないバリアフリータイプも存在します。
近年では、高齢化社会を背景に、段差のないバリアフリータイプのユニットバスも普及しつつあります。
これらのユニットバスは、床面の高さを調整することで段差を解消しており、スムーズな出入りを可能にしています。
ただし、バリアフリータイプは一般的なタイプよりも価格が高くなる傾向があります。
しかし、長期的な視点で見れば、安全性を確保し、介護の負担を軽減できるというメリットは大きいといえます。
また、バリアフリータイプはデザイン性も向上しており、浴室全体の雰囲気をスタイリッシュにすることも可能です。
＊高齢者や障害者にとって数cmの段差でも大きな障害となります。
たとえ数cmの段差であっても、高齢者や足の不自由な方にとっては、転倒リスクを高める大きな障害となります。
特に、濡れた床面での転倒は骨折などの重傷につながる可能性があるため、十分な注意が必要です。
そのため、ユニットバスを選ぶ際には、利用者の状況を考慮し、段差の有無や高さを慎重に検討する必要があります。
具体的には、家族に高齢者や障害者がいる場合は、バリアフリータイプのユニットバスを検討したり、段差解消のための対策を事前に計画しておくことが重要なのです。
＊入口の段差は転倒リスクを高める可能性があります。
ユニットバスへの出入りは、濡れた床面での移動となるため、転倒リスクが非常に高くなります。
段差があると、そのリスクはさらに高まります。
特に、高齢者はバランス感覚が低下している場合が多いため、小さな段差でも転倒の原因となりやすいのです。
そのため、段差解消のための対策を講じることは、安全な浴室環境を確保するために不可欠といえます。
例えば、スロープの設置や手すりの取り付けなどを検討することで、転倒リスクを軽減し、より安全な浴室を実現できるでしょう。
ユニットバス入口の段差を解消するには？
＊床をかさ上げして段差をなくす方法があります。
既存のユニットバスの入口に段差がある場合、床をかさ上げすることで段差を解消することができます。
この方法は、大掛かりなリフォームを必要とせず、比較的低コストで実施できるメリットがあります。
ただし、床をかさ上げすることで浴室全体の高さも高くなるため、天井の高さが低い場合は注意が必要です。
また、床の素材によっては、かさ上げが難しい場合もあるため、事前に専門業者に相談することをおすすめします。
さらに、かさ上げした床と既存の床との段差が生じる場合は、その部分につまづきにくいように処理をする必要があります。
＊ユニットバス自体を交換する方法もあります。
既存のユニットバスを、段差のないバリアフリータイプに交換するという方法もあります。
この方法は比較的費用は高額になりますが、より快適で安全な浴室環境を実現できます。
交換する際には、サイズやデザインなどを慎重に検討する必要があります。
また、工事期間も考慮に入れる必要があります。
一方で、最新のユニットバスは、節水機能や保温機能が向上しているものが多く、光熱費の節約にもつながるというメリットもあります。
＊段差解消スロープを設置する方法があります。
既存の段差にスロープを設置することで、段差を緩やかにすることが可能です。
スロープは様々な材質や形状のものがあり、設置場所や段差の高さに合わせて選ぶことができます。
比較的安価で手軽に設置できるため、費用を抑えたい場合に適しています。
ただし、スロープの設置スペースが必要となる点には注意が必要です。
また、スロープの表面が滑りやすい場合は、滑り止め対策を施すことも重要です。
例えば、滑り止めテープを貼ったり、表面に凹凸のある素材を選ぶことで、安全性を高めることができます。
まとめ
ユニットバスの入口の段差は、高齢者や障害者にとって大きなリスクとなるため、その高さを理解し、適切な対策を講じる必要があります。
段差の解消方法としては、床をかさ上げする、ユニットバスを交換する、段差解消スロープを設置するといった方法があります。
それぞれの方法にはメリット・デメリットがあるので、利用者の状況や予算、浴室の構造などを考慮し、最適な方法を選択することが重要です。
安全で快適な浴室環境を確保するためには、専門業者への相談も有効といえます。
専門業者は、それぞれの状況に合わせた最適なプランを提案してくれるだけでなく、工事も安全かつ確実に実施してくれるでしょう。