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屋根葺き替え工事とは?費用・手順の基礎知識

2025.01.06

屋根の老朽化は、住まいの安全と快適性を脅かす大きな問題です。
雨漏りや断熱性の低下だけでなく、地震時の被害リスクも高まります。
屋根の葺き替え工事は、こうした問題を根本的に解決する有効な手段です。
しかし、費用や工事期間など検討すべき点は多く、不安を感じる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、屋根葺き替え工事について、費用や手順、注意点などを分かりやすくご紹介します。

屋根葺き替え工事の費用と選び方

*工事費用に影響する要素
屋根葺き替え工事の費用は、屋根の面積が主な基準となりますが、それ以外にも様々な要素が影響します。
まず、既存の屋根材の種類です。
瓦、スレート、金属屋根など、種類によって撤去・処分費用や新しい屋根材の価格が大きく異なります。
アスベストが含まれているスレート屋根の場合は、特別な処理が必要となり、費用がさらに高額になります。
次に、下地の状態です。
野地板や垂木に腐食などが見られる場合は、補修または交換が必要となり、費用が加算されます。
特に、土葺き瓦屋根のように下地が複雑な場合は、下地調整に手間と費用がかかります。
さらに、使用する屋根材の種類も費用に影響します。
高耐久性で断熱性が高い屋根材は、価格が高くなりますが、長期的なコストパフォーマンスを考えるとメリットがあります。
その他、足場費用、職人さんの人件費、工事期間なども費用に影響する要素です。
*屋根材の種類と費用相場
屋根材には、瓦、スレート、金属屋根など様々な種類があり、それぞれに特徴と費用相場があります。
瓦屋根は、耐久性が高く、風格のある仕上がりになりますが、重量があり、費用も高額になります。
中でも、土葺き瓦屋根は下地調整に費用がかかります。
一方、軽量瓦は、瓦と同様の外観を保ちつつ、軽量で費用を抑えられるため人気です。
スレート屋根は、軽量で比較的安価ですが、経年劣化による色褪せや、アスベスト含有の可能性があります。
アスベスト含有の場合は、特別な処理が必要となり、費用が大幅に増加します。
金属屋根は、軽量で耐久性が高く、様々なデザインやカラーバリエーションがあります。
ガルバリウム鋼板など、高耐久性の金属屋根は、初期費用は高めですが、長寿命でメンテナンス費用を抑えられます。
費用相場は、屋根の面積、既存屋根材、新しい屋根材の種類、下地状況などによって大きく変動します。
目安として、瓦屋根の葺き替えは100万円〜260万円程度、スレート屋根は70万円〜200万円程度、金属屋根は80万円〜210万円程度です。
*補助金制度の活用
屋根葺き替え工事には、自治体によっては補助金制度が利用できる場合があります。
補助金の対象となる工事や支給額、申請方法などは、自治体によって異なります。
お住まいの自治体のホームページなどで、詳細を確認しましょう。
耐震性向上や省エネルギー対策を目的とした工事は、補助金の対象となる可能性が高いです。
例えば、耐震性の低い瓦屋根から軽量な金属屋根への葺き替え工事などは、補助金申請の対象となるケースが多くあります。


屋根葺き替え工事の手順と注意点

*工事の流れ
一般的な屋根葺き替え工事の流れは以下の通りです。
・現地調査と見積もり
業者による屋根の状態の調査と、工事内容、費用などの見積もりの作成。
・契約
工事内容、費用、工期などを確認し、業者と契約を締結。
・足場設置
工事を行うための足場の設置。
・既存屋根材の撤去
古い屋根材を撤去し、廃棄物の処理。
アスベストが含まれている場合は、専門業者による処理が必要。
・下地処理
野地板の補修や交換、防水シートの施工など。
・新しい屋根材の施工
新しい屋根材を施工。
・足場撤去
工事完了後、足場を撤去。
・検査と引き渡し
工事の最終検査を行い、完了報告書と引き渡し。
*アスベスト処理について
1970年代から2000年代前半にかけて使用されていたスレート屋根材には、アスベストが含まれている可能性があります。
アスベストは、健康被害を引き起こす危険性があるため、撤去・処分には特別な手続きが必要です。
アスベスト含有の有無は、専門業者に調査を依頼する必要があります。
調査の結果、アスベストが含まれている場合は、適切な処理を行い、安全に撤去・処分しなければなりません。
アスベストの処理費用は、別途見積もりが必要で、工事費用に大きな影響を与える可能性があります。
*葺き替え工事と他の屋根工事との比較
屋根工事には、葺き替え工事以外にも、重ね葺き(カバー工法)、部分修理などがあります。
重ね葺き工事は、既存の屋根材の上に新しい屋根材を重ねて施工する方法です。
葺き替え工事よりも費用と工期を抑えられますが、下地の状態によっては施工できない場合があります。
部分修理は、雨漏りなどの部分的な修繕を行う方法です。
費用と工期は比較的短くて済みますが、根本的な解決にならない場合もあります。
葺き替え工事は、費用と工期はかかりますが、屋根全体を新しくすることで、耐久性や耐震性を向上させ、雨漏りなどの問題を根本的に解決できます。
*工事後のアフターケア
屋根葺き替え工事後も、定期的な点検やメンテナンスが必要です。
業者によっては、工事保証期間を設定している場合もありますので、保証内容を確認しておきましょう。

まとめ

屋根葺き替え工事は、高額な費用と長期間の工期を要しますが、住まいの安全と快適性を守る上で重要な工事です。
費用に影響する要素、屋根材の種類、補助金制度、工事の手順、注意点などを十分に理解し、計画的に進めていきましょう。
適切なメンテナンスを行うことで、長期間にわたって安心できる屋根を維持できます。
アスベスト処理など、特殊な状況への対応も事前に確認しておくことが重要です。